役所づとめのきじばと

ウイングあつかましい言論ゼロカスタム

もしもし

つまんない人はもしもの話をしない。もしも、鰻だったならもしもかもめだったなら、もしも、出世コース決まった地方公務員だったならなどと、考えない。おっぱいがでっかい人の辛さとか、お寿司の中の空洞だとか、肛門に風船いれて膨らませたりとか考えない。何の得があるの?その行為に?嫌じゃない?僕は僕を生きるよ?暇じゃないのに暇つぶしする意味とは?

おにぎりを握るのが僕は上手だと思う。ふっわふわに握れる。そんな才能が僕にはあるんです。きれいに三角に握れます。偉い。ほとんど偉い。ほとんどのものが偉い。おいしいものだけが偉い。おいしいお肉、おいしいお野菜、おいしいブリの血合いの部分。がっちがちのおにぎりだって別においしい。

数分おきに目を覚ます。目を覚ましては目を閉じる。寝てるんだか起きてるんだか、分からないうちに、寝床に入ったときと同じ暗さの部屋にいる。親類縁者、友人知人、会社関係者、崇敬の対象、まばらに偽装してみても、いまいち、アガれない。いじめられてる人に寄り添うサイコパスなんかにきっとなれない。救われたいとか救いたいとか思えない。あがきに美しさを見出せない。監禁も、軟禁も、ご自由にどうぞ。

「ご自由にご覧下さい」とか言う人をご覧になる自由もあるはずなんだが、ほぼ、そんな自由は行使されない。ご覧になるべきものは決まっていて、それ以外に目をやるものはただのドスケベ変態くんでしかない。ドスケベ変態くんとは呼ばれたくない故に、ドスケベじゃない視線でドスケベでない部分を見つめる。それしか、人に愛される方法はない。と、決め込んでいる生活スタイル。真摯、実直、真面目、一本気、一所懸命、いちがいきちがい、共鳴したいという熱望。どこまで近づいても、不協和音しか鳴らない。ならいっそ、黙っていてはどう。

公園のほうで小鳥が鳴いているのが聞こえる。たぶん、小鳥だと思う。たぶんはぐれた小雀で、たぶん雨に塗れた草むらに転がっている。ゆぴゆぴ鳴いていた。さっきまで。もしも小鳥でなかったらなんだろうかと考えてみるが、他のゆぴゆぴ鳴くもののことをあまりよく知らない。錆びた蝶番かなんかなら、いつまでも鳴いていられるはずだし。