役所づとめのきじばと

ウイングあつかましい言論ゼロカスタム

「じ」について

「ねとるじ」「きとるじ」「はいとるじ」「見とるじ」「太るじ」「死んどるじ」「人生半分過ぎとるじ」「ノイタミナ枠しか見んげんじ」「借金一億超えてんじ」「もうどうしようもないげんじ」「一家で心中したってことやじ」「ほんで、あんただけ生きとれんじ」「TSUTAYAにビデオ借りに来とんげんじ」「じゃあ再婚したってことやじ」とか言う。いや言いはしないが。

「じ」というのは金沢の方言で「だね」「だな」「ですね」くらいの意味で人の行動を見たまんま表現し、更に煽る際に用いられる。直接、その行為者に対し発せられる。

例①の「ねとるじ」は「寝ているね」の意味であり、寝ている人に対し「寝ている」状況を示す。たとえば、ソファで寝ている母親やソファで寝ている猫やソファで寝ている妹に対しだ。そのまま「寝ている」状況を言い表すとともに「寝ていてもいいのか?」と、煽る。本来、ここであなたは眠るべきではない、正しい寝方がある、正しい寝床がある、そもそも寝ていてはならないという、戒めのニュアンスを含んでいる。いわば嫌味、皮肉の表現である。こんなあなたで本当にいいの?やらないといけないことがあるんじゃないの?と、

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余計なお世話だ。

余計なお世話なんだが、世話を焼きたくて焼いているわけでもないし、煽りたくて煽っているわけでもない。また正しいものの在り方について理解しているわけでもない。なんとなく目の前の人の行動をありのまま口にしてしまうと、その人がなにか間違った行いを為しているように表現してしまう。ほんとは別に寝てたって、いい。

寝てたっていいが、寝てたら悪い気がしてくる。

人は自分を見ることができない。他者の言葉によりその存在を知る。「ねとるじ」といわれ、寝ている自分を見る。その他者は、自己の想定した他者であり体を持たない場合もある。その他者はなにやら正解を知っていそうな顔をしている。知らないくせにとはいいたくない。知ってはいるんだろうなとは思う。

「ねとるじ」と猫に対していうのは「ねとるじ」といいたいだけ。