役所づとめのきじばと

ウイングあつかましい言論ゼロカスタム

十手

字って絵よりやばくはない。絵で描けば、たぶんもてはやされ非難されるものでもたいがい許される。石原しかりマルキドしかり。とりあえず、金をもっているってとこからはじまる雑なストーリーが好きだ。金があるゆえに、好き放題できる。トリップの口実として、とりあえず登場人物には金を持たせたい。

リアルしか体験せぬままの人生なんぞ鼻糞だ。いつか、鼻糞をぬじりまくっていた小学生のころ。孤独のものにしかひとは集まらない。集めるつもりのないもののもとにしか。水曜日をいつから、週の真ん中だと思わなくなったのか。

線路で例えられる人生に嫌気が差したわけではない。はずれるはずれないの好き勝手を任せられたこともない。はじからはじまで、はりめぐされて、目の届かぬところなどない。白いかつ黒い。薄く延びた、ラテックスに包まれて眠っている子供(24)をかこっている、アパートのおれは大家だ。

近所には評判が悪い。やましいことなど何一つしてない。それがむしろ、やましいのだろう。静謐という騒音に耐えられるひとは狂人と褒めそやられる。丁重に扱われ、あるいは公然と神格化される。嬉しい嬉しくないとかいうベクトルはとうに超えた。超えたつもりで、唐突に叩きのめされる。土のつまった、爪を舐める。

残念な行為、性行為、暴力行為、自慰行為。それ以外の行為は善い行い。率先しておこなうように、子供(24)にも言い聞かせている。また、算数ドリルをもちだして、答えた問いを全部消して、はじめからやり直そうとしていた。大家としては、無言でいるべきだが、親としてひとつ小言を言った。「学校にいけよ」と。

背中にタトゥーをいれてやったあと、背中の皮をはいでやった。それをなめして、トートバッグを拵えてやった。紐はビニールテープ。アロンアルファ一本でできあがった。あしたから、まっとうになってほしい。別にあしたからでいいので。

文句をいうつもりなどない。すくすく正直者に育って欲しい。親の欲望に答えるような、礼儀正しい人間になどわたしはただただ辟易するし、いずれその手を離れるときの垢まみれのその服にジッポオイルをかけて燃やす。goodのおっぽを引き抜いたgod.飴。